サ飯

サ飯で2度ととのう。ついに発見、代々木上原「大黒湯」→ブータン料理「ガテモタブン」の黄金ルート

サウナの過酷な熱環境で体をいじめ、気持ちよく“ととのった”後に待つご褒美「サ飯」。サウナこそ究極の調味料と考えるサウナーも多く、サ飯抜きにはサウナは語れません。

しかしながら、ととのったあとの「サ飯ゴールデンタイム」ではずれを引きたくないがために、定番料理以外の選択をするのはなかなか難しいものです。

そこで、サウナランドWeb編集部では、新たなサ飯ジャンルを開拓すべく世界各国の料理を調査し、「世界一唐辛子を使う」といわれているブータン料理に着目。刺激ある料理ならばサ飯に向いているのでは、と考えました。

今回は代々木上原にあるブータン料理店「ガテモタブン」をサ飯のターゲットにして、サウナとサ飯で「2度ととのう」にチャレンジしたいと思います!

代々木上原の老舗銭湯「大黒湯」でファーストととのい

ブータン料理「ガテモタブン」の近くにあるサウナを探したところ、同じ代々木上原にある「大黒湯」がヒット。根強いファンが多い老舗の銭湯です。

中を覗くと目に飛び込んできたのは、激渋のエントランス。コインランドリーを併設している混沌としたアプローチに、別世界へ吸い込まれていくような感覚になります。

設置されている洗濯機の何台かが回っており、近くに住む人々にとって、大黒湯とコインランドリーが生活の一部であることが窺(うかが)えます。

この暖簾(のれん)をくぐった先に、大黒湯があります。しびれるデザイン、かっこいい!

まるで昭和から時間がストップしているようなレトロな内装の脱衣所。謎の置物や人形、掛け軸に健康器具などなんでもあり。ごちゃ混ぜ感がたまりません。

浴場にはこれぞ「ザ・銭湯」といえる銭湯絵が。

いよいよサウナ室へ。大黒湯のサウナ室は、壁を挟んで2部屋に分かれた少し変わった構造になっています。
温度は写真の手前側は90度前後、奥側が45度前後に設定されています。高めの温度でしっかり汗をかいたあと、インターバルで奥の低温ゾーンで休む人も多いそう。

オートロウリュはないものの、湿度は高め。テレビなしの無音の室内が、さらに嬉しいポイントです。
床に敷いてある不揃いのバスマットも愛らしい。不思議な空間だなと思っていると、気づけば全身は汗だくです。

サウナ室を出てすぐに水風呂があります。なんと謎のライトアップ付き。お洒落すぎるでしょ。ロマンチックな演出に、すでにととのいそうです。
そして見逃せないのは、天然の地下水! これは嬉しすぎます。水温は約19度で少しぬるめですが、なめらかな肌触りの天然水とあいまって、いつまでも水風呂に浸かっていたいと思えるセッティングでした。

熱々の銭湯サウナと天然の地下水でしっかりととのったあと、サウナ上がりには、独特な休憩スペースでゆったり休めます。実家感がある(笑)。

住宅街の路地にたたずむ「大黒湯」。コインランドリーが所狭しと並ぶエントランスを抜けるとそこには、実家に帰ったようなあたたかさと不思議な構造のサウナがある奇天烈な世界が広がっていました。

“追いととのい”を求めて訪れるブータン料理店「ガテモタブン」

「大黒湯」のサウナでととのった後、“追いととのい”ができるサ飯を食べられるのは、代々木上原の「上原銀座商店街」にあるブータン料理のお店「ガテモタブン」。大黒湯からは徒歩5分ほどです。

既に異国の雰囲気を感じる店構え。

ブータン料理は、唐辛子を野菜のように食べ、山椒やバター、塩など、日本人にも馴染みある調味料を使ったシンプルな味付けで煮込むおかずとご飯が基本。なんと世界一、唐辛子を使う料理だそう、恐ろしい…
店内に入り、額からでる汗にサウナの余韻を感じつつカタカナ名が多く並んだメニューからお目当ての料理を探します。

中でも代表的なブータン料理の「エマダツィ」。チーズと唐辛子を合わせて煮込んだサ飯にもってこいの料理です。

食べてみると、最初にチーズのまろやかさを感じた後、唐辛子の程よく美味しい辛さが口の中に広がります。チーズと煮込まれることで、 唐辛子の持つ旨味や甘味が引き立ちます。セットのご飯がすすむ癖になる辛さ!

唐辛子を野菜みたいに食べるとはこういうことかと納得。気づけば、頭皮にじんわりと汗をかいて、体もポカポカでした。

食べ終わって少し暑いなと感じた時、「もしやこの感覚」はと思いながらお店を後にして外の風にあたった瞬間完全にサウナの「ととのい」と同じ感覚になり、サ飯で“追いととのい”しました(笑)

大黒湯のサウナでととのい、その後のサ飯でじんわりと発汗、外気浴を体感し無事“追いととのい“に成功。その満足感に浸りながら、帰路につく足取りは軽く幸せそのものでした!


“追いととのい”ができるサ飯として紹介した「エマダツィ」ですが、唐辛子の辛さは季節によって個体差があり、辛くない時もあるのだとか。チーズとの相性が良く癖になる程よい辛さなので、辛いのが苦手な方も美味しく食べられるはずです。

大黒湯の後にガテモタブンの「エマダツィ」で追い“ととのい”体験してみてはいかがでしょうか。


施設名大黒湯
場所〒151-0066 東京都渋谷区西原3-24-5
アクセス小田急小田原線・東京メトロ千代田線
代々木上原駅東口より徒歩5分
営業時間平日・土・祝 15:50〜25:30 / 日曜日 13:00〜25:30
定休日第1・第3水曜日
店名Gatemo Tabum/ガテモタブン
場所〒151-0064 東京都渋谷区上原1-22-5
営業時間ランチ:11:30-15:00(L.O.14:30)
ディナー:17:30-21:00(L.O.20:00)
(昨今の状況を鑑み営業時間が変更になる場合がございます。ご了承ください)
公式サイトhttp://www.gatemotabum.com/

取材・文:島嵜伸孔、松尾 侑冬
編集:竹内麻佑子もりちゃん
写真(大黒湯):M.RYOHTA